ホテル御曹司が甘くてイジワルです
八時に仕事を終え、迎えに来てくれた清瀬さんの車でどこかに向かう。
見えてきたのは美しいビル。プレアデスホテルだ。
前のように清瀬さんのお部屋で食事をするのかな。そう思っているとスイートルームではなく、三階へと向かう。
ホテルの一階から五階までは、ロビーやレストラン、海外ブランドのショップなどの商業施設やバンケットルームなどがあり、六階から三十二階までが客室、そして最上階にスイート宿泊者専用のバーやスパがある。
一体どこにいくんだろうときょとんとしている私が連れていかれたのは、美容室やエステを備えた上品なサロン。
清瀬さんと私が店内に入ると、受付のスタッフが丁寧なお辞儀で迎えてくれる。
「あの、清瀬さん……?」
食事をという話だったのに、どうしてこんな場所に。
戸惑う私を見て、清瀬さんがいたずらに笑う。
「この前は俺が誘ったのに仕事が入ってしまったから、そのお詫びだ」
「お詫び?」
わけがわからず目を瞬かせる私をスタッフの女性が「こちらへどうぞ」と奥へ案内してくれる。
ひとりで奥に連れていかれるの? 混乱して助けるような視線を清瀬さんに送ると、彼は楽しげに笑っていた。