ホテル御曹司が甘くてイジワルです
待ち構えていたスタッフに取り囲まれ、服を脱がされ髪をほどかれ、まるで嵐の渦のなかに放り投げられた気分だった。
流れるような彼女たちの仕事を邪魔しないようにただじっとしていると、胸元にネックレスがつけられる。
「どうぞ」と言われ全身を映す鏡の前に連れていかれると、美しくドレスアップした自分がそこにいた。
肩やデコルテがあらわになったカクテルドレスは、上品なネイビーだった。
オフショルダーの上半身は繊細なレースで覆われていて、きゅっとしぼられたウエストから広がる膝下までのスカートは光沢をはなつサテン生地。
少し露出が多いけれど、上質な素材と落ち着いた色のせいでとても大人っぽく優雅に見える。
そして大きく開いた胸元につけられたのは、まるで星のように輝く透明の宝石がいくつもつらなった豪華なネックレス。
耳元にも同じくキラキラと開くイヤリングをつけられていて、恐る恐る指で触れた。
ネックレスには数えきれないくらいたくさんの石が使われていて、イヤリングはびっくりするくらい大粒だ。
もしこれが本物の宝石だとしたら、いったいいくらするんだろう。
「あの、これって、ダイヤですか……?」
声をひそめてたずねると、スタッフの女性は穏やかな笑みを浮かべただけだった。
だけどその対応が逆に本物だと肯定されているようで、思わず背筋がのびる。