ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「時間を守らないで心配させた私が悪いんだってわかってるんですけど、でも、一瞬でもいいから私がなにを見ていたのか興味を持ってほしかったなって……」
そのときだけじゃなく、みんなが好きなアニメや漫画よりも、星空や宇宙に興味をもっていた私はクラスのお友達にからかわれることが多かった。
休み時間に読んでいた星座図鑑を取り上げられて笑われるなんてことは、日常茶飯事だった。
清瀬さんが工作教室の時に、圭人くんをからかう男の子たちに向けて言った『自分以外の奴が興味のあることを理解しようともしないで否定するなんて、つまらないと思わないか』という飾り気のない問いかけ。
まるで幼い自分に言ってもらえたようで、うれしかった。
自分を肯定してもらえたようで胸が温かくなった。
うつむきながら小さな声で「だから、うれしくてちょっと泣きそうになってしまいました」と言うと、清瀬さんが微笑む気配がした。
視線を落としているのに、じっと見つめられているのがわかる。そしてそれがちっとも不快じゃない。
じわじわと胸の中がなにかで満たされていく気がした。
このままじゃそのなにかが溢れてしまいそうだ。