ホテル御曹司が甘くてイジワルです
交通の便は悪いけど、このあたりの景色はすばらしい。
あの商館の二階のテラスからは、ここから見るよりももっと綺麗な海や街並みが楽しめるだろうな。
「素敵ですね」
出来たらぜひ一度行ってみたい。なんてわくわくしている私の横で、館長がのんびりと口を開く。
「レストランに来たお客さんが、ついでにこっちに寄ってくれるといいなぁ」
ほのぼのとした口調で、他力本願なことを言う館長に苦笑いしながらうなずいた。
「本当ですね」
今みたいに穏やかなこのプラネタリウムの雰囲気も好きだけど、どうせならもっとたくさんのひとにこの施設に来てほしい。
隣にできるレストランが繁盛するといいですね、なんて笑いあってから作業をひと段落させ席を立つ。
「私、入り口の掃除してきます」
今日は少し風があるから、商館の前の大きな庭から木の葉や花びらが飛んできて、入り口の石畳に溜まってしまう。
もしお客様が足元を滑らせたりしたら大変だ。