ホテル御曹司が甘くてイジワルです



由美子さんがゆっくりと入れてくれたコーヒーを持って部屋に戻ると、そこに清瀬さんの姿はなかった。

どこにいったんだろう……。

不思議に思いながらさっきまで清瀬さんの座っていた窓辺の椅子に近づくと、雨音がやんでいることに気づく。

雨があがったんだ。よかった。
これなら明日には帰れるだろうとほっとしながら窓をのぞくと、外に人がいるのが見えた。

暗闇に目を凝らすと、ぼんやりと空を見上げる男の人のシルエット。


清瀬さんだと気づいて、私は慌てて部屋を出た。




「清瀬さん」

外に出て声をかけると、林の前に立っていた清瀬さんがこちらを振り返った。

私に気付いてゆっくりと目を細める。

「どうしたんですか?」

こんな時間に外でぼんやりしているなんて。

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