ホテル御曹司が甘くてイジワルです
 

「そう、金星とか木星とかの惑星は、星座盤には載ってないんだ」

よく気づいたね、と笑いかけると、ふくらんだ頬が赤らみとがっていた口元が照れくさそうに緩む。

「いつも決まった場所にのぼる星座たちとはちがって、気まぐれに現れる場所を変えるから、昔の人が『惑わせる星』で惑星って名前をつけたんだって。何千年も前の人たちも、明るく光る金星を見て『なんだあの光は!』って不思議に思ってかもしれないね」
「へぇー!! おもしろい!」

目をまん丸にした大輝くんに、「興味があるなら、プラネタリウムでくわしく教えてあげるよ」と誘ってみる。

「うーん、俺今日はサッカーがあるから」

あっさり振られてちょっとしょんぼりすると、小さな手によしよしと頭をなでられてしまった。

「でも今度、お母さんとか友達とか誘って来てあげるよ」
「本当? ありがとう」
「うん。約束!」

そう言って大輝くんが小指をぴんとたてる。


 
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