ホテル御曹司が甘くてイジワルです
どうしてここに清瀬さんがいるんだろう。驚きで目を丸くする私を無視して、清瀬さんは五藤くんを見下ろす。
「それに、好きな女の全てを愛せない自分の小ささを棚に上げて、傷を消せなんて身勝手なことを言う男には、これ以上彼女に関わらないでもらいたい」
容赦ない清瀬さんの言葉に、五藤くんははっとしたように顔色を変えた。
自分の言葉がまた私を傷つけたことに気付き、唇を噛む。
「ごめん、真央ちゃん……」
頭を下げた五藤くんに、首を横に振って笑いかける。彼だって悪気があったわけじゃないのは、ちゃんとわかってる。
荷物を運んでもらったことにあらためてお礼を言ってから、五藤くんに手を振ってわかれた。
そして清瀬さんのことを振り返ると、思いっきり仏頂面を向けられた。
うわぁ、すごく不機嫌……。
思わずたじろぐと、私と向き合った清瀬さんが手を伸ばし、着ていたパーカーのファスナーを閉じすごい勢いで一番上まで上げる。