ホテル御曹司が甘くてイジワルです

「わ、なんですか!?」

急に首までしまったパーカーに目を丸くすると、「ほかの男の前であまり無防備なかっこうをするな」と叱られた。

「え、無防備ですか?」

Tシャツにショートパンツ姿の軽装だけど、胸元があいているわけでもないし、ちゃんとパーカーを羽織っていたし。
首をひねっていると、腕を掴まれ胸の中に引き寄せられた。

背中に回った清瀬さんの腕が、痛いくらいきつく私の体を抱きしめる。

「清瀬さん……?」

おずおずと名前を呼ぶと、長いため息が聞こえた。
私のことを抱きしめて安堵しているように見えた。

「あの、ここ外ですし、よかったら家の中に……」

小さくもがきながらそう言うと、清瀬さんはうなずいて抱きしめていた腕をゆるめてくれた。


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