ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「長谷館長からプラネタリウムに三木が訪ねて来たと聞いて本人を問い詰めたら、別れろという説得に真央が黙ったまま頷いたと言っていた」
清瀬さんの声が低く、固くなる。
否定してくれ、と懇願するような視線を向けられ息をのんだ。
確かにあの時、私は言葉をなくしてなにも言い返せずにいた。それを三木さんは了承したようにとらえたのかもしれない。
「三木に、なにを言われた」
「……自分が清瀬さんの婚約者だから、私に身を引いてくださいって」
私の言葉に清瀬さんが顔をしかめた。
「違う。三木は俺の婚約者なんかじゃないし、彼女を女としてみたことは一度もない」
「そうなんですか? でも親同士で縁談の話をまとめて結婚の準備期間として秘書をしているって……」
「うちと手を組みたがっているのは、三木コーポレーションの方だけだ。彼女の社会勉強のためにと三木社長に頭を下げられて短期間だけ秘書として働いてもらってはいるが、こちらはちゃんと海外の不動産企業としっかりしたパイプを作っている。わざわざ縁談なんて持ち出してすり寄る必要なんていない」
きっぱりと言われ、肩から力が抜けた。