ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「よかった……」
こちらに腕を伸ばし、隣に座る私を抱き寄せようとする清瀬さんに、「でも」と言って胸を押しやる。
「清瀬さんも、私の傷跡を気持ち悪いと思っているなら、気を使わないで正直に言ってくれてよかったのに。優しい言葉をかけもらって、裏で気持ち悪いと言われている方がずっと傷つきます」
うつむきながら言うと、清瀬さんの胸を押す私の手に大きな手が重なった。
「どういう意味だ」
つよく手を握られて、声がふるえる。
「三木さんに言われました。清瀬さんと別れる手切れ金代わりに、傷を消してあげますよって。三木さんに言ったんですよね? 私の体に目を背けたいほど醜い傷があるって」
私の言葉に、清瀬さんが目を見開いた。そして、大きく顔をしかめる。
「そんなことは言っていない。真央の傷を醜いなんて思うわけがない」
「本当に?」