ホテル御曹司が甘くてイジワルです

じゃあなぜ三木さんは私の傷のことを知っていたんだろう。

「真央がコンプレックスになるほど悩んでいるんなら、消すのも一つの選択かもしれないと思って、三木に傷跡を消す方法があるのかとたずねたことがあった」

するどい三木さんは、清瀬さんとの会話でその傷の持ち主が私だと感づいたんだろう。
傷のことを持ち出され、動揺して思わず脇腹をおさえた私を見て確信を得た彼女が、わざと傷つける言葉を選んであんなことを言ったんだ。

「俺の余計な考えのせいで、無神経に真央を傷つけて悪かった」

潔く頭を下げられ、慌てて首を横に振る。

「無神経だなんて思ってないです。ただ、清瀬さんはこの傷がない方がいいと思いますか?」

服の上から左の脇腹をなでながら聞くと、清瀬さんはまっすぐに私を見た。

「我儘を言ってもいいなら、俺はこのまま消さないでいてほしい」
「本当に……?」
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