ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「この傷がなかったら、真央はさっきの男のものになっていたんだろう? 真央がほかの男に抱かれていたかもしれないと思うだけで嫉妬で気が狂いそうだ。そうならなかったのがこの傷のおかげだっていうなら、この傷跡まで愛おしいし感謝したいくらいだよ」
清瀬さんが私の着ているパーカーのファスナーを下げる。
そして私の目を見ながら中に着ていたTシャツの裾に手をかけた。
前に見せた時は、薄暗い部屋の中だった。
だけど今はちがう。真夏の日差しが差し込む明るい場所で肌を見せるのは少し怖い。
清瀬さんの手をぎゅっとにぎると、安心させるように優しく笑った。
裾をわずかにめくりあげ、汗ばんだ肌に指を這わせる。
「気持ち悪くないですか……?」
震える声で問うと、清瀬さんは真剣な表情で私の体を見つめる。
「前に、ふたりで見た流れ星」
「え……?」
ぽつりと漏れた言葉に、目を瞬かせる。
「夜空に燃えて消える、流れ星の軌跡みたいだ」
清瀬さんはうっすらと白く盛り上がった幾筋もの傷跡を指でなぞり、優しい声でそう言った。