ホテル御曹司が甘くてイジワルです
その瞬間、胸に温かいものが込み上げて、慌てて両手で顔を覆った。
この醜い傷を、そんな綺麗なものに例えてくれるなんて。
「そんなことを言われたら、私までこの傷を愛しいと思ってしまいそうです」
涙声でつぶやく私に、清瀬さんは顔を覆う手をゆっくりと下ろさせ、甘いキスをしてくれる。
明るい部屋の小さなソファの上に押し倒され、私たちは何度もキスをして抱きしめあった。
ふいに清瀬さんの肩越しに星を見つけて「あ」と声をあげる。
不思議そうに背後を見る清瀬さんに、天井にむけて指をさしてみせる。
「昴です」
ソファに寝ころぶとリビングから続く和室の天井が見えた。蓄光シールで作った星空がそこにある。
「子供の頃、自分でシールを貼って星空を作ったんですよ」
「どれが昴?」
「冬の大三角形があってオリオン座があって、オリオンの三ツ星をたどってくとある、小さな星の集団」
指をさしながら説明すると、無事発見したようで清瀬さんが笑みをこぼした。