ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「それはよかったですね!」
「プレアデス香港をオープンさせて、新規事業としてオーベルジュを立ち上げて。今までは後継者として周りを納得させるために全力で走り続けていたが、これからはもっと落ち着いて仕事ができるようにする。多少時間の余裕もできる」
「よかった……」
今までの仕事のペースでは多忙すぎていつか体を壊してしまうのでは、なんてちょっと心配だったけど、清瀬さんの言葉にほっとして笑う。
すると清瀬さんに、苦しいくらいきつく抱きしめられた。
「このまま真央を俺のものにしてしまいたい」
「え?」
腕の中に閉じ込められて熱のこもった囁きに目を瞬かせると、清瀬さんが耳元で「抱きたい」と掠れた声でつぶやく。
「だ、抱きたいって……っ」
直接的な言葉に、いっきに血が頭にのぼって頬が熱くなる。動揺のあまり涙目になってしまった私を見下ろして、清瀬さんが小さく顔を歪めて笑った。