ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「……どうしてわかった」
ふだん人にも物にも執着しない彼が、どうしてこんなに『坂の上天球館』を気にかけるのかなんて、考えればすぐにわかるのに。
彼女へ好意を抱いていることに、私が気づいてないとでも思っていたんだろうか。
苦々しい表情で問われ、思わず吹き出しそうになってしまった。
「プラネタリウムの隣の座席であなたの表情を見ていたら、すぐにわかりましたよ。あぁ、今恋に落ちたなと」
そう言うと、いつも冷静な副社長の顔が一気に赤らんでいく。
「たしかにとても愛らしくて魅力的な女性ですよね。その上あんないきいきとした表情で『昴が一番好き』なんて言われたら、副社長が心を奪われるのも無理はない」
容赦なくからかう私に、副社長は片手で額を押さえ大きなため息をついた。
「……もうそのくらいで勘弁してくれ」
彼の敗北宣言に、にっこりと微笑む。
「では、『坂の上天球館』の買収の件、進めさせていただきます」
「頼んだ」