ホテル御曹司が甘くてイジワルです
 


パタンと扉が閉まってから、さっきのひどく動揺した副社長を思い出し、あんなふうに顔を赤らめて取り乱した姿を見るのははじめてだったなと笑いがこみあげてくる。

私は副社長付きの秘書になる前は、社長の秘書をしていた。
彼が中学生のころからの顔見知りで、もう二十年近い付き合いになる。

プレアデスグループの御曹司の彼は若い頃から賢く、さらに人目を引く整った容姿を持っていた。
幼いころから英才教育をうけてきたせいか要領までよく、これまでなんでもそつなくこなしてきた彼。


学業も仕事も、そして恋愛も。

つねに女性から言い寄られることに慣れてしまった彼は、恋人に対しても淡白でひとりの女性に執着することがあまりないように見えた。


そんな彼が、はじめて本気の恋に落ち、相当戸惑っているようだ。


 
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