ホテル御曹司が甘くてイジワルです
 

なんとかわかってもらおうと、身振り手振りで頑張っていると、その私のまぬけな様子が面白かったのか、ふたりは顔を見合わせ笑い出す。

そして大きな手がのびてきて、ぽんぽんとなだめるように私の頭をなでた。
不意打ちでふれられたことに動揺して顔が赤くなってしまう。

日本人は年齢より若く見られがちだというけど、もしかしたら私も幼く見られているんだろうか。
私はここの職員として、ちゃんと注意してるのに。

私が眉をひそめても、彼らはこちらの表情なんてお構いなしで、笑いながら私の肩を抱いた。

「きゃ……っ!」

背も高く体格もいい男の人に抱き寄せられ、思わず小さな悲鳴をあげてしまった。

な、なんで注意をしてるのに、突然肩を抱いてくるの……!?

外国人の距離感のつめ方に困惑して固まる私に、ふたりはなにか話しかけてくる。

早口の英語の中に「レッツゴーアウト」という言葉がなんとか聞き取れた。
きっと、出ていくってことだよね?

「イエスイエスイエス!」

そうです。出て行ってほしいんです。
顔を輝かせてうなずくと、彼らもさらに笑顔になった。


 
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