ホテル御曹司が甘くてイジワルです
よかった、話が通じて。
ほっと胸をなで下ろしていると、肩を抱いていた腕が今度は腰に回った。
ぐいっと引き寄せられ目を丸くする。
「え!? ちょっと、あの……?」
なんで腰を抱くの? そしてなんで私をつれて歩き出すの?
混乱する私をよそに、ご機嫌で歩き出すふたり。
力強い腕に腰をがっしりつかまれ、しかももうひとりに腕をとられた。
振り払いたいけれど、もし怒らせたらどうしよう。
いやでもこのままどこかに連れていかれる方が怖い。
どうしていいのか分からずにパニックになっていると、背後から流暢な英語で呼び止められた。
私を挟むようにしていたふたりが足を止めて振り返る。
私もびくびくしながら声のした方を見ると、そこに清瀬さんが立っていた。
広い歩幅でこちらに近づき、私の腰に回っていた手を振りほどく。
まるで自分のものを取り返すように、彼らから私を解放し今度は自分の腕の中に閉じ込めた。