ホテル御曹司が甘くてイジワルです
眉をひそめたり青ざめたり、ぐるぐる考えこむ私を見て、清瀬さんがあきれたように肩を上げた。
「安心していい。ここは俺が自宅兼執務室として使っている部屋だし、女性に食事代を出させるつもりもない」
すぐ顔色を変えてしまう私の考えることなんて、彼にはお見通しらしい。
「自宅兼執務室、ですか……」
さすがホテル界のプリンス。彼は毎日こんな素敵な部屋で過ごしてるんだ。
ぽかんと口を開いて部屋を見回すと、清瀬さんと視線がぶつかった。
「ホテルのスイートルームでふたりきりになって、警戒や期待をされるよりも、一番に支払いの心配をされるとは思わなかった」
呆れたような口調に、普通の女の子なら支払いじゃなくそういうことを考えるのかと、目を丸くする。
「大丈夫です。私はそんなに自意識過剰じゃありません」
こんなに魅力的な男の人が、わざわざ私なんかを相手にしとうと思うわけがない。