ホテル御曹司が甘くてイジワルです
雲の上のホテル界のプリンスを相手に勝手に期待なんかしないですよ、と安心させるように笑って見せると、清瀬さんは私の髪をひとすじすくいあげた。
「少し君は無自覚すぎるな。俺だけじゃなく、ほかの男にもこんなに無防備なのかと思うと少し腹が立つね」
「え……?」
きょとんとする私の前で、清瀬さんがすくいあげた髪に一瞬キスを落とした。
まるで恋人にするような彼の甘い行動に、一気に頭に血が上る。
真っ赤になった私を見ると、清瀬さんがくすりと笑って髪から手を離した。
そしてなにごともなかったように、部屋の中を進む。
び、びっくりした……。
動揺しながら清瀬さんの唇がふれた髪のあたりをくしゃりと手でつかむ。
落ち着け私。きっと、からかわれただけだ。
繰り返し自分に言い聞かせ、大きく深呼吸をした。
そして清瀬さんの後を追い、部屋の中に進む。