ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「それに清瀬さん、香港のホテルをオープンさせて日本に帰ってきたばかりですもんね」
そうやって、世界規模で色々な土地を飛び回り仕事をしているんだろうから、ホテル暮らしなんて慣れてるんだろうな。
なにげなくつぶやいた言葉に、清瀬さんは驚いたように軽く眉を上げた。
「よく知ってるな」
「清瀬さんの名前を検索してみたら、情報が出てきて……」
「ふーん。俺に興味を持ってわざわざ調べてくれたんだ?」
からかうように笑われ、頬がかっと熱くなる。
「ち、ちがいます! 坂の上天球館を守るために、敵の情報を探ろうと思っただけです!」
「敵ねぇ」
赤い頬を大きく膨らませた私を見て、清瀬さんが機嫌良さそうに笑った。
「まぁいい。ルームサービスを頼んであるから、食事にしよう。嫌いな物や食べられないものはあるか?」
そう尋ねられ慌てて首を横に振ると、清瀬さんが「よかった」と頷いた。