情熱的に愛してⅡ
二人が離れた場所に座ると、私は隣の席の亘理君と向かい合った。

「亘理君、この企画書なんだけど。」

私は企画書を、亘理君の前に出した。

「ああ、どうだった?」

「いいと思うわ。でも、ちょっとパンチが足りないかも。」

「パンチか。」

亘理君は、企画書を見ながらうんうん頷いている。

最近の亘理君は、私の意見を参考にしてくれるようになった。

その点では、感謝している。


「ごめんね、またいろいろ言って。」

すると亘理君は、顔を上げて私をじーっと見た。

「何?」

「こっちこそ。何で謝るんだよ。」

「だからそれは……」

「上司の視点で、もっとパンチがあった方がいいって言ってるんだろう?だったら、謝る必要はないじゃないか。」
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