情熱的に愛してⅡ
私は知らない間に、微笑んでいた。

やっぱり亘理君は、頼りになる。

「ちょっと、見直してみるか。」

亘理君が席に向かった時だ。


離れた場所にいるはずの門馬君が、近づいてきた。

「あの、」

「どうしたの?」

「企画書、僕なりに書いてみたんです。見て頂けますか?」

私と亘理君は、顔を見合わせた。

「あなた、やる気すごいわね。」

「いえ。」

門馬君の笑った顔、可愛いと思った。


「どれ?貸してみて。」

「はい。」

門馬君から企画書を受け取って、驚いた。

研修で教えた基本を、全てものにしていた。

でも、これだけでは商品にならない。

私は、門馬君に企画書を返した。
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