情熱的に愛してⅡ
「おまえは、仕事が好きだな。」

部長にそう言われ、初めて私は、仕事が好きなのだと感じた。

「……はい。」


今までだってそうだった。

勉強が好きだから、もっと勉強をした。

バイトが好きだから、もっとバイトがしたかった。

それだけなんだ。


それから、3年経った頃。

部長は私を、主任に推薦してくれた。


「おまえだったら、できるだろう。」

新人の頃から、何かと可愛がってくれた部長に、少しだけ恩返しができた瞬間だった。

これからも、部長のお世話になるだろうし、なってしまうかもしれない。

だけど、職位を得た事で、部長の力になれるかもしれない。

私は、純粋にそんな事を思っていた。
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