その花が永遠に咲き続けますように
「ごめん、皆。私、ちょっと先に帰る!」

一方的にそう告げると、私は一人、駅まで駆け出した。


そして学校に戻ると、部室に置きっ放しにしていたギターを手に取り、鳴らす。


何度も何度も練習した、初めて自分が作った曲を。


これは、永君の未来を願って、祈った、そんな曲。
その曲に、私は自分の中途半端な気持ちを、中途半端な詞として乗せることしか出来なかった。
違う、そうじゃない。永君のことを考えながら作った曲なんだから、永君のことを考えながら書いた詞を乗せたい。


そう思ったら、言葉が溢れてくる。


綺麗な言葉も、それっぽい言葉も、何もいらない。必要なのは、ありのままの気持ち。


誰もいない、こっそり忍び込んでる部室でギターを弾き、机の上のノートに詞を書いていく。


これは、



恋の詞。
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