その恋に落ちるのは、彼の罠に掛かるということ
「な、何言ってるんですか突然……! 意味がわからないんですけど⁉︎」
「明日休日出勤しなきゃいけないんだけど、この家からの方が会社近いんだよ」
「そんな理由⁉︎ 困ります、急に!」
そう言うのに、課長はまるで自分の家のようにずんずんとリビングへと進んでいく。
「どうせ一人で暇してるんだろ。お、焼き鳥美味そう」
「それは私の夕ご飯です!」
……って、ツッコむところはそこじゃなかった。
課長と話してると、自分のペースがどんどん狂わされる気がする。
などと考えていると、課長が手に提げていたビニール袋の中からガサゴソと何かを取り出し、テーブルに置く。
「大丈夫だって。お前の夕飯取ったりしないから。俺もちゃんと買ってきたから一緒に食べよう」
そう話す課長の手にも……焼き鳥と缶ビール?
「どうやら俺達、好みが同じらしいな」
そう言われ、確かに……と思った瞬間、つい笑ってしまった。
それをOKのサインだと捉えられてしまったのか、課長はテーブルの前に腰をおろし、缶ビールをあける。
……こうなったらもう仕方ないか、と思い、私は諦めて客人用の箸を持ってきて彼に渡した。
そして、一緒に食事を再開する。
よくよく話を聞いてみれば、彼は仕事が終わった後、自宅に一度戻り、泊まる支度をしてからここへ来たとのこと。
「さすがに三日連続同じ服で出勤する訳にはいかないからなあ」と言うけれど、一回家に帰ったのならわざわざここへ来なくても良かったのではないだろうか。そりゃあ、朝は楽だろうけれど。
……もしかして、私と過ごしたかったとか……なんてありえないことを一瞬でも考えてしまい、ブンブンと頭を横に振った。
そんな訳ない! それだけはない! 彼が私を異性として見る可能性は後にも先にもないのだ!
まあ、私のことを〝部下〟として一緒にいて過ごしやすい存在だと思ってくれているのなら、その気持ちは有難く受け取っておくことにしよう。
「明日休日出勤しなきゃいけないんだけど、この家からの方が会社近いんだよ」
「そんな理由⁉︎ 困ります、急に!」
そう言うのに、課長はまるで自分の家のようにずんずんとリビングへと進んでいく。
「どうせ一人で暇してるんだろ。お、焼き鳥美味そう」
「それは私の夕ご飯です!」
……って、ツッコむところはそこじゃなかった。
課長と話してると、自分のペースがどんどん狂わされる気がする。
などと考えていると、課長が手に提げていたビニール袋の中からガサゴソと何かを取り出し、テーブルに置く。
「大丈夫だって。お前の夕飯取ったりしないから。俺もちゃんと買ってきたから一緒に食べよう」
そう話す課長の手にも……焼き鳥と缶ビール?
「どうやら俺達、好みが同じらしいな」
そう言われ、確かに……と思った瞬間、つい笑ってしまった。
それをOKのサインだと捉えられてしまったのか、課長はテーブルの前に腰をおろし、缶ビールをあける。
……こうなったらもう仕方ないか、と思い、私は諦めて客人用の箸を持ってきて彼に渡した。
そして、一緒に食事を再開する。
よくよく話を聞いてみれば、彼は仕事が終わった後、自宅に一度戻り、泊まる支度をしてからここへ来たとのこと。
「さすがに三日連続同じ服で出勤する訳にはいかないからなあ」と言うけれど、一回家に帰ったのならわざわざここへ来なくても良かったのではないだろうか。そりゃあ、朝は楽だろうけれど。
……もしかして、私と過ごしたかったとか……なんてありえないことを一瞬でも考えてしまい、ブンブンと頭を横に振った。
そんな訳ない! それだけはない! 彼が私を異性として見る可能性は後にも先にもないのだ!
まあ、私のことを〝部下〟として一緒にいて過ごしやすい存在だと思ってくれているのなら、その気持ちは有難く受け取っておくことにしよう。