その恋に落ちるのは、彼の罠に掛かるということ
な……


「何ですか、それ」

私はふいっと顔を背け「もう寝ます」と言って話を切り上げた。課長も「お休み」と返してきた以降は何も言ってこなかった。



実際は、私は全然眠れなかった。

ドキドキして、そして課長の言葉が頭から離れなくて。


私だから、ってどういうこと?

ううん、軽い人だもの。誰に対してもそういうことを言っているに決まってる。


だけど……そうじゃなかったら、なんて。


女性として見られない存在だったはずなのに、実は女性扱いしてもらってたのだろうか、って考える。



……何かを期待している自分がいる。おかしい。一体、課長とどうなりたいっていうの?


恋なんて、もうしないって……決めたはずなのに……それも、こんな軽い人とだなんてありえない。好きになったりしたら、また痛い目に遭うに決まってる。
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