惑溺オフィス~次期社長の独占欲が止まりません~

「なにこれ……」


放心状態でその場に立ちつくす。


「空き巣か……? ちょっとここで待ってて」


陽介さんはそう言い置いて、ひと足先に足の踏み場もない部屋の奥へと進む。トイレやバスルームのドアを開け、誰も潜んでいないことを確認してから私を手招きして呼び寄せた。

おそるおそる足を踏み入れていくごとに、膝がガクガクと震えだす。まさか自分の部屋に空き巣が入るなんて思いもしなかった。

頬に風を感じると思ったら、吐き出しの窓が十センチほど開いていた。ベランダから侵入して、再びそこから出たのかもしれない。どうりで玄関のドアが施錠されていたわけだ。


「香奈、大丈夫?」


陽介さんに聞かれて、なんとかうなずく。


「香奈は、なにがなくなっているか確認して。俺は警察に通報するから」
「は、はい……」


そう答えたものの全身から力が抜けて、その場にヘナヘナと座り込む。

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