拾い恋(もの)は、偶然か?
「おいっ、」
「良かった。いつもこんなしみったれたおじさん2人で飲んでるからね。今日は君たちみたいな素敵な子たちと飲めて光栄だよ。」
明らかに松田部長が嫌そうなのに、強引に私の隣に座った司馬部長。これは、ちゃっかり、というか。でもこの人が鳴海先輩の隣に座ったら座ったで、私は嫉妬してしまうんだろうか?
「どうしたの聡士さん、座りなよ。」
「あのな翔吾。」
「……ん?」
笑顔で首を傾げてみる様は、なぜかとても可愛らしくて、周りに座っている女性はもちろん、男性の注目も集めている。そしてそれ以上に、なんとなく感じるピリついた空気。
頬を引くつかせた松田部長は、大きく溜息を吐いて無言で鳴海先輩の隣に座った。
「さて。」
司馬部長が満足気にそう言って、メニューに手をかける。
「何がいい?お、古蝶くん。」
「「……。」」
固まる私。そして鳴海先輩と松田部長の視線はなぜか私へ一心に降り注ぐ。
今私を名前で呼びかけた的な感じになってなかったかな?気のせいかな?うん、気のせいだろう。それに松田部長は私の名前なんて知らないだろうし。
酔っているおかげかそういう所は気にしないことにして、松田部長に笑いかけた。