拾い恋(もの)は、偶然か?
こうなったらもうしょうがない。とりあえず飲み会ということで、この場をどうにか過ごすしかない。それに、私と司馬部長は付き合っているわけでもないから、隠す関係なんてないはずだから。
「松田部長、一杯目は何にしますか?」
「あ?俺?」
頷いた。それに、この2人の関係も大いに気になる。年の差10歳。同じ部長職に付いているとはいえ、さっき分かった通りプライベートは名前呼び。
敏腕部長とは聞いてるけど、松田部長は司馬家の関係者じゃなさそうだし。御曹司である司馬部長とここまで親密になっているのが不思議でしょうがない。
それを出世に利用してるとか、陰口は多い。それでもこんなに仲の良い友人同士だという事実は、驚きと同時に羨ましいものだ。
「総士さん、早くしろよ。」
「「「……。」」」
今私がその友情を壊そうとしているとは、思いたくない。
さっきから無言の鳴海先輩は目で語る。いや、松田部長と一緒になって、顔をクイクイ動かして合図してくる。
『そっちに先に聞けよこの野郎。』と。
笑顔を保ったまま、とりあえず目の前のファジーネーブルを飲んだ。チラリと隣の司馬部長を見れば、珍しく不機嫌顔でメニューを見ている。