拾い恋(もの)は、偶然か?




「私の部長好きを舐めないでいただきたいですね。」



へ?とばかりに口をポカンと開けている部長。またそれが可愛いから困る。でもこれは事実だ。



「もし、私が部長の口から不妊のことを聞いても、私なりに悩んで必ず結論を出すはずです。あなたはさっきの衛みたいに、それ一本の道しか進めない、みたいな言い方は絶対にしないはず。少なくとも私は、寂しかった。衛の口からなんて聞きたくなかったです。」

「……音。」



きっと、自分の子供が作れないというのは、男性にとってとても深く悲しいことだろう。


男性は、体裁を気にする。それは悪いことじゃなく、男としてこうあるべき、という社会全体の雰囲気が、男性は男性らしくすることを当たり前にしてきた結果だ。



男性は子孫を残し、家族のために働く。それは世の常で、人々が当たり前だとしてきたことだ。


「正直、私も突然結婚後の子供の話をされてもパッとしませんけど、少なくとも部長が子供を作れないから結婚しない、という選択肢はありません。」



これだけは断言できる。だから、部長の目をまっすぐに見てそう言ったのに。縋るような目は私をジッと見つめたまま。




薄々気付いていたこと。知らないことにしていたこと。


部長の外見やスペックを通して見て誤魔化していたこと。








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