拾い恋(もの)は、偶然か?
その拗ねているような表情になぜか笑えてきてしまって。
「フフフッ、」
思わず笑ってしまった。
私が見ていることに気が付いたのか、一瞬目を見開いた司馬部長が、照れたように笑う。
「司馬部長、何を飲みますか?」
「それは何が食べたい?じゃなくて?」
「は?」
この人もしかして、焼きもちとか妬いちゃって、可愛い?なんて思ったのは一瞬のことで。
「何が食べたい?って聞いた君に、俺がお……古蝶君って答えるんだ。名案じゃないか?」
「部長。セクハラです。」
やっぱりほんとに、変な人だ。しかもまた私のことを名前で呼ぼうとした。さっきのは言い間違いで通せるとして、もう2回目ともなると確実にわざとだとしか思えない。
さっきから無言でこちらを見ているだけの正面の2人に向き直って、とりあえず笑顔になってみる。
「松田部長、何飲みます?」
「あ、ああ。」
戸惑っている様子の松田部長。考えてみたら手元にメニューがない。
「あの、まだ見ます?」
「え?」
笑顔で固まってた司馬部長にそう言えば、小さくいや、と答えたから、手を差し出した。
「それ、ください。」