拾い恋(もの)は、偶然か?
強く、逞しい体。私は昨日、この人に抱かれたんだ。
衛の乱入でそれどころじゃなかったけど、翔吾さんと抱きしめ合っていたらなんだか堪らなくなって。至近距離で見つめ合うと、当たり前のように目を閉じた。
途端に、唇に感じる柔らかい感触は、何度か触れる内、深く激しいものへと変化する。
翔吾さんの指先が私の髪をくしゃりと撫でて、浮遊感を覚えた。
翔吾さんが私を抱っこして歩き出しても。私たちはお互いを貪り合うようにキスを繰り返す。時折、翔吾さんの指先が私の腰を撫でると、そこから電流が走ったように、ビリリと快感が駆け巡った。
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「最近どう?」
「何がです?」
「なにがって、翔吾とよ。」
翔吾さんと甘い時間を過ごした土曜日。本当は今日だって、そうしたかったけど。
事前からこの人と約束をしていたこともあって、置いていかれる子犬のような表情の翔吾さんを残して、渋々ここに来ていた。
「名前で呼ぶのやめてもらえます?一応私の彼氏なんですが。」
「あら。古蝶って案外ガキ臭いこと言うのね?」
街角のオシャレなカフェ。周りの男性客の視線を集めながら頬杖をつく松崎さんは、私をまっすぐに見つめて微笑んだ。