拾い恋(もの)は、偶然か?



「でも意外と可愛いところあるでしょう?そこも好きなんです。」

「結局惚気ってわけね。」

「はい。」


即答すれば、驚いた様子の松崎さんにまた笑われてしまった。カフェでケーキセットを頼んで、長話。まさかそれを松崎さんとすることになるなんて。


だけど松崎さんは初めの印象は最悪だったけど、話しやすいし気も合う。時折口が悪いけど、鳴海先輩と同様、一緒にいて心地がいい人だ。


「あー、こうやって友達と出かけるの久しぶり。」


綺麗なスマイルで松崎さんが突然そんなことを言い出したのは、カフェに来て3時間が過ぎたころだった。そろそろ長居もよくないし、移動した方がいいかなと思っていた。


「意外。忙しいんですか?」


まず私を友達の部類に入れるんですか?と言ったら拗ねそうだからあえて言わなかった。松崎さんといえば、秘書課のお姉さんたちとこんなカフェじゃなくホテルのラウンジとかで優雅にお茶してそうなイメージなんだけど。

私の質問に、松崎さんの眉根に一気に皺が寄った。


「みんな忙しいってどこも行かないのよ。秘書課って詰まんないわ。」


それはもしや、ハブられている、というのでは?




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