拾い恋(もの)は、偶然か?



「ありがとう。」

「いいえ。」


部長はさすがというか、家では料理をするらしい。だけど朝ご飯はコーヒーだけ。昼もこうして簡単なものばかりを食べる傾向にある。夕食だけ豪華なんて、典型的な太る食生活だ。


それなのにこの体系。ほんとに神様を呪う。

私なんてそういうの気を付けてるのに私のお腹には謎の肉がついているの?


「俺の肉うどん食べる?」

「要りません。」


どうやら部長は私をもっと太らそうとしているらしい。ひねくれた私には、この人に悪気はないにしても悪意にしか取れない。それなのに肉だけ食べたいと思った卑しい自分をぶっ叩いてやりたい。

「古蝶。」

「はい?」

鳴海先輩の声に振り返れば、呆れ顔の2人。

「なんすか。」

「……まぁ、ラブラブでなにより。」

「チッ、」


松崎さんにいたっては舌打ちまで。2人して私への当たりが酷い気がする。


「今話題に上がってた七瀬さんだけどね、俺の仕業じゃないよ。」

「じゃあ誰の仕業ですか?」


今切り干し大根を食べているこの黒い笑みの持ち主が犯人じゃないなら、誰が犯人か教えてほしいものよね。


「ミスが多いから鍛えなおして欲しいって打診をしたら通っただけだ。」

「それを部長の仕業以外のなんだというんですか?」


私のツッコミになぜかキョトン顔。可愛いか。


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