拾い恋(もの)は、偶然か?
「なに言ってんだ。総士さんがいつも捕まらないんだろ?」
「ダントツお前だっつの!」
司馬部長を指さした松田部長は、目の前にあった枝豆を口に入れる。
「冷凍もんかよ。」
……大半の居酒屋がそうだと思うのですが。それにしてもさすが。部長クラス口が肥えてらっしゃる。
相当機嫌が悪いらしい。ここは話題転換しなくちゃ滅茶苦茶空気が悪くなりそうだ。
「お、お2人は、いつからの付き合いなんですか?」
おっ、さすが鳴海先輩!サッと空気を読んだのかさりげなく話を変えようとしている。
「そうだなぁ。何年になる?」
「……覚えてませんね。」
「だなぁ。」
「「……。」」
それなのに2人揃っての適当発言。この人たち、私たちと話す気がないのでは?
「音は、いつもここで飲んでるの?」
「まぁ。」
ファジーネーブルを一口飲んで、松田部長酷評の枝豆を一つ頬張る。これはこれで美味しいけどな。確かに、生をゆでたやつには敵わないけど。
「部長たちは?ここにはよく来るんですか?」
「いや」
「こういう雰囲気も悪くないと思っててね。たまに。」
うーん、気のせいだろうか?松田部長が何か言った、ような。もし何か言ったとしても、酔いの回る頭じゃどうやら司馬部長の言葉しか耳に入らなかったらしい。