拾い恋(もの)は、偶然か?




やばいと思って慌てて立ち上がるも、ちょうどリビングに入ってきた翔吾さんと鉢合わせしてしまう。


手には缶ビール。一応立ってはいるけど明らかに後ろのソファーでくつろいでいたことはバレているだろう。


「お、かえりなさい。」

「ただいま。」


残業だと聞いていたから、夕食の準備はもちろん開始してない。とりあえずビールで疲れを癒して、更にお風呂で疲れを癒してから、ゆっくり夕食の準備をしようと思っていたのに。


私の持っている缶ビールと顔を交互に見てはニヤニヤしている翔吾さんを見れば、私がこうすることを予想して残業がないのにドッキリで帰ってきたのでは?と疑ってしまう。



「はや、くない?」


それとなく聞いてみるけど、半分、責めている。それを気にすることもなく私の前に立った翔吾さんは、固まる私の手から缶ビールを奪ってそれを煽った。


「うまいな。」

「仕事終わりのいっぱいは最高?みたいな。」


ハハハ、と誤魔化し笑いをしてみるも、ジッと私を見つめる翔吾さんを前にしおしおと体が丸まっていく。


「ごめんなさい。ごはんとか、まだで。」


といっても今日は冷蔵庫のあまりものを使う。メニューが決まっていない分いつもより時間がかかりそうだ。




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