拾い恋(もの)は、偶然か?




「音、俺と結婚してくれますか?」


その問いかけの答えは、もちろん。


「はい。喜んで。」


それなのに、翔吾さんはあからさまにホッとしてみせていて。なんて可愛い人なんだろうとキュンとする。


翔吾さんが指輪を私の左手薬指に通すのを見ているだけで、涙が込み上げる。私ってホントに、この人の奥さんになれるんだって感動して。


「音。」

「はい。」


優しく微笑んだ翔吾さんが、私を正面からゆっくりと抱きしめてくれる。温かい。大好き。


背中に手をまわして、私もめいいっぱいの力で抱きしめ返したら、翔吾さんが小さく笑った。


「聞いてくれるか?」

「はい。」


だけど、体を離した翔吾さんの表情は反して真剣そのもので。自然と私も身が引き締まる。


「音のご両親に先に会っておくのが礼儀だと思うが、俺の、うん。俺の、両親にまず会ってほしいんだ。」

少しかすれたその言葉は、翔吾さんの覚悟を表してるんだと思う。きっと翔吾さんは考えてくれている。



自分のご両親のことで私たちの関係がダメになった場合、私の親を悲しませないように、と。




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