拾い恋(もの)は、偶然か?
すると、翔吾さんが電話をかけ始めた。
応答した相手側の漏れ聞こえた声を聞くとどうやら女性らしい。お母さんかな?翔吾さんのお母さんには会ったことがなくて。申し訳ないけれど極悪非道な女性像を想像しているだけにちょっと身構えてしまう。
「着きました。」
(はいはい。開錠するわね?)
翔吾さんの硬い声音に反して、相手の声は明るい感じ。翔吾さんの身構え方に反しているその明るい声に混乱してしまう。
電話を切った翔吾さんは、困ったように笑う。するとほどなくして、玄関らしき場所が見える門の隣のガレージの扉が開いた。
「うわ。」
すぐに見えたのは、よく見る高級車が3台。そして。
「んん?」
見たことがある車が、1台停まっている。
「あの、翔吾さん。」
「なに?」
ガレージには、車が4台あってもまだまだ広いスペースのある。そこに手慣れた様子で駐車しようとしている翔吾さんの袖を引けば、わざわざ停車して翔吾さんは私を見た。
視線を誘導するように、その車に何度も視線を運ぶ。つられるように翔吾さんが車を見るけど、やっぱり見たことはないみたいで首を傾げる。