私の本音は、あなたの為に。
「そうだよ。それでね」


大ちゃんは、ちらりと私の顔を見てから言葉を続けた。


「優希ちゃんのママに会って、俺、『優希ちゃんって何処の高校に通ってるんですか?』って聞いたんだ」


(大ちゃん、何でそんな事をママに聞くの…?)


そんな質問をしたら、ママは


『勇也なら…』


と答えるに決まっている。


相手が大ちゃんだったら、尚更の事。


そして、大ちゃんは言葉を続けた。


「不思議なんだけど、優希ちゃんのママね、『勇也なら、紅高校に通っていますよ』って教えてくれたんだ」


(最悪)


「聞き間違いかと思って、『勇也じゃなくて、優希ちゃんなんですけど』って言ったんだけど、『勇也の事でしょう?』って言われてさ」


(ああ、最悪だ)


「俺、優希ちゃんに会いたかったから、紅高校まで来てみたんだけど」


そして、私の心は今までに無い程重くなった。


ママは、本当に私の事を分かっていなかった。


ほんの少し、僅かに残っていた希望。


それが、今大きな音を立てて砕け散った。



「だから、一応確認するけど」


大ちゃんは、深呼吸をしてから言葉を紡ぎ出した。


「……その、勇也は、亡くなったよね?」


(うん、数年前に)


(だけどね、今は私がお兄ちゃんの代わりなんだ)
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