私の本音は、あなたの為に。
私は、一体いつまでこんな事をしなければいけないのだろうか。


誰にも、何も言えない。


嘘つきな私は、相談が出来ない。


本音を、言うことが出来ない。


苦しくても、悲しくても、辛くても。


何も言えないし、誰かと分かち合う事も出来ない。


「助けて、助けてっ…!」


私は、泣きながらそう懇願する。


「ごめんなさい、許して下さい、嘘つきでごめんなさいっ…!」


(お兄ちゃんっ…!)


私は、何処かで聞いているであろう兄に謝り続ける。


「こんな妹でごめんなさい、嘘ばっかりついててごめんなさい、勇気が出なくて、ごめんなさいっ……」



だから、誰か。


「助けてっ……!」


私は、零れ落ちる涙を拭き続けながらそう言う。


足をじたばたさせ、泣き喚き、叫ぶ。


誰も助けてくれないと、分かっているのに。



(でも、元々は私が髪を切ったからいけなかったんだよね……)


少しして落ち着きを取り戻した私は、ぼんやりとそんな事を考える。


(私があんなに髪の毛を短くしたから、ママは勘違いをしたんだ)
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