私の本音は、あなたの為に。
「中1のくせに、子供っぽい…」


そんな佐々木を見て、花恋がため息をつく。


「いじめた?本当なのか?」


この2人はそんな事をする生徒じゃないはずだけどな、と先生は不思議そうに首を傾げる。


「佐々木、まだそんな事言うの!?」


「おい、まだ懲りないのかよ!?」


その時、またもや私達2人の呆れ返った声がマッチした。


私達のその声で、先生は完全に私達が悪者ではないと分かったようで。


「よし、3人共、後で職員室まで来なさい」


先生は佐々木を睨みつけ、私達には軽く笑って見せた。



そして、私達が席に着いたと同時に帰りの学活が始まり、瞬く間に掃除の時間が過ぎて行った。


(花恋、私の為に味方になってくれたの…?)


掃除の終了の挨拶を上の空で終えた私は、その事しか考えていなかった。


(だって、私達は喧嘩をしていたはずじゃ…)


けれど、私ははっと思い出した。


私が佐々木に向かって言い返していた時、花恋は自分から私の見方になってくれた。


私と佐々木の行動の何処に、花恋の気持ちを変えた何かがあるのかは分からないけれど。


花恋は、私に向かって笑ってくれた。


(許してくれたのかな?)


職員室に向かう為に、階段を降りながら私は色々な考えを巡らす。
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