副社長は今日も庇護欲全開です
「えっ⁉︎ 茉莉恵さん……なんですか?」
まさか、彼女が訪ねてくるとは思わず、驚きでア然とする。私を探していたようだから、直哉さんに会いにきたわけじゃないんだろう。
それにしても、茉莉恵さんは直哉さんの同級生の割には若く見える。三十歳のはずだけれど、私と同じ年だと言っても分からない。
「はい。突然、すみません。少しでも構いませんから、お時間をいただけないですか?」
申し訳なさそうな顔をする彼女からは、それほど悪い印象は受けない。けれど、本音のところは分からないわけだし……。
ただ、直哉さんの結婚相手という以上は、私も茉莉恵さんと直接話をしないといけないのかもしれない。いい機会だから、彼女の言葉を受け入れよう。
「分かりました。近くのカフェはどうですか? 駅前にあるんですが」
緊張しながらそう提案すると、茉莉恵さんは笑顔を浮かべて頷いた。
「はい、そこに行きましょう」
二人で歩き始めながら、落ち着かない気持ちでいるのは私だけなのかと思ってしまう。それほどに、茉莉恵さんはごく自然体で、笑顔を保ったまま歩いている。それってもしかして、直哉さんと結婚をするのは自分だという余裕から?
なんて、邪推ばかりしてしまう自分が恥ずかしい。それにしても、茉莉恵さんはどうして私に会いに来たんだろう……。
数分後、駅前にカフェに着く。ごく普通の大型チェーンのカフェで、夜にも関わらずお客さんは多かった。そこで、カフェオレを頼んだ私たちは、奥のテーブル席へと向かった。
「陽菜さん、本当に突然ごめんなさい。きっと私、直哉くんに怒られちゃうわね」
座った早々、茉莉恵さんはそう切り出した。
「いえ……。直哉さんには、黙って来られたんですか?」
彼女の直哉さんとの親しさが分かるような話し方が、どこかカチンとくる。私も負けずに堂々としたいと思うのに、緊張のほうが勝って声も控えめになっていた。
「ええ。だって、陽菜さんに会いに行くなんて言ったら、どれほど叱られるか。でも、どうしても陽菜さんに協力してほしいんです」
「協力……ですか?」
まさか、直哉さんと別れろと言われるとか……? わざわざ、こうやって会いに来るくらいなのだから、そう責められても不思議はない。
自然と身構えていると、茉莉恵さんはそれまでの笑みを消し、どこか恥ずかしそうな表情をした。
「はい。私、直哉くんとは結婚をしたくないんです」
まさか、彼女が訪ねてくるとは思わず、驚きでア然とする。私を探していたようだから、直哉さんに会いにきたわけじゃないんだろう。
それにしても、茉莉恵さんは直哉さんの同級生の割には若く見える。三十歳のはずだけれど、私と同じ年だと言っても分からない。
「はい。突然、すみません。少しでも構いませんから、お時間をいただけないですか?」
申し訳なさそうな顔をする彼女からは、それほど悪い印象は受けない。けれど、本音のところは分からないわけだし……。
ただ、直哉さんの結婚相手という以上は、私も茉莉恵さんと直接話をしないといけないのかもしれない。いい機会だから、彼女の言葉を受け入れよう。
「分かりました。近くのカフェはどうですか? 駅前にあるんですが」
緊張しながらそう提案すると、茉莉恵さんは笑顔を浮かべて頷いた。
「はい、そこに行きましょう」
二人で歩き始めながら、落ち着かない気持ちでいるのは私だけなのかと思ってしまう。それほどに、茉莉恵さんはごく自然体で、笑顔を保ったまま歩いている。それってもしかして、直哉さんと結婚をするのは自分だという余裕から?
なんて、邪推ばかりしてしまう自分が恥ずかしい。それにしても、茉莉恵さんはどうして私に会いに来たんだろう……。
数分後、駅前にカフェに着く。ごく普通の大型チェーンのカフェで、夜にも関わらずお客さんは多かった。そこで、カフェオレを頼んだ私たちは、奥のテーブル席へと向かった。
「陽菜さん、本当に突然ごめんなさい。きっと私、直哉くんに怒られちゃうわね」
座った早々、茉莉恵さんはそう切り出した。
「いえ……。直哉さんには、黙って来られたんですか?」
彼女の直哉さんとの親しさが分かるような話し方が、どこかカチンとくる。私も負けずに堂々としたいと思うのに、緊張のほうが勝って声も控えめになっていた。
「ええ。だって、陽菜さんに会いに行くなんて言ったら、どれほど叱られるか。でも、どうしても陽菜さんに協力してほしいんです」
「協力……ですか?」
まさか、直哉さんと別れろと言われるとか……? わざわざ、こうやって会いに来るくらいなのだから、そう責められても不思議はない。
自然と身構えていると、茉莉恵さんはそれまでの笑みを消し、どこか恥ずかしそうな表情をした。
「はい。私、直哉くんとは結婚をしたくないんです」