副社長は今日も庇護欲全開です
「そうなんですよ。だから、陽菜さんにお願いがあるんです。どうか、直哉くんのお父様に会っていただけませんか?」
必死な雰囲気で、茉莉恵さんは私を見つめている。きっと彼女は、本当に住川さんが好きなんだろう。このままでは、直哉さんと無理やりにでも結婚をさせられる……そんな感じさえ漂わせていた。
「もちろん、私はお会いしたいと思っています。でも、なぜそれを茉莉恵さんが?」
わざわざ、こうやってお願いしてくるのはどうしてだろうと素朴な疑問を持つと、茉莉恵さんはおずおずと話してくれた。
「直哉くん、自分だけで解決しようとしているんです。陽菜さんを巻き込みたくないからなんでしょうけど、それがかえって真中社長のお怒りを買っていて……」
茉莉恵さんが言うには、社長は挨拶にも来ない私との交際を言語道断だと切り捨てているらしい。それでも、直哉さんは頭から賛成する気のない社長に、私を会わせることを憂慮しているとか。
彼が、そこまで私を心配してくれているとは思っていなくて、それはとても嬉しかった。
と同時に、私も直哉さんを愛しているからこそ、頑張りたいという思いが募っていた。
「陽菜さんに、勝手なことを言っているのは十分承知です。住川くんも、私たちの想いを直哉くんに話をすると言っていました。私たちも、社長に説明をします。だから、陽菜さんも協力してください」
そう言いながら、茉莉恵さんは頭を下げる。なんだか、想像もしていなかった展開に驚きの連続だけれど、私だけ直哉さんに守られているばかりではいられない。それだけは、分かった。
「私も、直哉さんを愛しています。だから、彼と一緒になれるよう頑張りたいと思っています」
茉莉恵さんには、曖昧な返事に聞こえたかもしれない。それでも、私からの返事はそれが精いっぱいで、彼女もそれ以上はなにも言わなかった──。
◇ ◇ ◇
茉莉恵さんとは、店を出てすぐに別れた。どうやら、住川さんと待ち合わせをしているらしい。私も、直哉さんに会いに行こうか迷ってしまう。
前回、彼のマンションへ泊りに行ったとき、着替えを置いて帰っている。だから、もし帰れなくても、明日の仕事の着替えはある。けれど……。
月曜日から、突然押しかけても直哉さんは困るだろうし、やっぱりやめておこうかな。そう思いながら、駅の改札をくぐろうか迷っていると、直哉さんから電話がかかってきた。
必死な雰囲気で、茉莉恵さんは私を見つめている。きっと彼女は、本当に住川さんが好きなんだろう。このままでは、直哉さんと無理やりにでも結婚をさせられる……そんな感じさえ漂わせていた。
「もちろん、私はお会いしたいと思っています。でも、なぜそれを茉莉恵さんが?」
わざわざ、こうやってお願いしてくるのはどうしてだろうと素朴な疑問を持つと、茉莉恵さんはおずおずと話してくれた。
「直哉くん、自分だけで解決しようとしているんです。陽菜さんを巻き込みたくないからなんでしょうけど、それがかえって真中社長のお怒りを買っていて……」
茉莉恵さんが言うには、社長は挨拶にも来ない私との交際を言語道断だと切り捨てているらしい。それでも、直哉さんは頭から賛成する気のない社長に、私を会わせることを憂慮しているとか。
彼が、そこまで私を心配してくれているとは思っていなくて、それはとても嬉しかった。
と同時に、私も直哉さんを愛しているからこそ、頑張りたいという思いが募っていた。
「陽菜さんに、勝手なことを言っているのは十分承知です。住川くんも、私たちの想いを直哉くんに話をすると言っていました。私たちも、社長に説明をします。だから、陽菜さんも協力してください」
そう言いながら、茉莉恵さんは頭を下げる。なんだか、想像もしていなかった展開に驚きの連続だけれど、私だけ直哉さんに守られているばかりではいられない。それだけは、分かった。
「私も、直哉さんを愛しています。だから、彼と一緒になれるよう頑張りたいと思っています」
茉莉恵さんには、曖昧な返事に聞こえたかもしれない。それでも、私からの返事はそれが精いっぱいで、彼女もそれ以上はなにも言わなかった──。
◇ ◇ ◇
茉莉恵さんとは、店を出てすぐに別れた。どうやら、住川さんと待ち合わせをしているらしい。私も、直哉さんに会いに行こうか迷ってしまう。
前回、彼のマンションへ泊りに行ったとき、着替えを置いて帰っている。だから、もし帰れなくても、明日の仕事の着替えはある。けれど……。
月曜日から、突然押しかけても直哉さんは困るだろうし、やっぱりやめておこうかな。そう思いながら、駅の改札をくぐろうか迷っていると、直哉さんから電話がかかってきた。