副社長は今日も庇護欲全開です
「そうだな。きみを父に、紹介するよ。巻き込みたくなかったからだが、きみを蚊帳の外にさせていたことは反省だ」
「直哉さんの優しさは、十分伝わっていますから。大丈夫です」
どんなときでも真面目に誠実に考えてくれる彼の人柄は、本当に惹かれていくばかりだけれど、あまり責任を感じないでほしい……。
そう思い言ったのだけれど、直哉さんは一瞬黙り込んだかと思うと、少しバツ悪そうな表情をした。
「優しさ……というより、自分の頑固さからだな。とにかく陽菜のことは、誰になんと言われようと離すつもりはない。だから、反対するつもりしかない父に、きみを会わせたくなかった」
そんなことを言う彼を見て、思わず顔がほころんだ。
「直哉さんって、いつもクールなイメージでした。でも、結構内に秘めた熱いものがあるんですね……」
なにごとも、涼しい顔でこなしていくのかと思っていたけれど、そうでない一面を知って意外だった。
「陽菜のことだからだ」
「え……?」
車は、マンションの地下駐車場へ入っていき、定位置で停まる。エンジンを止めた直哉さんが、真剣な眼差しで私を見つめた。
「きみのことだから、熱くなっている。仕事なら、もっと冷静にこなせてるさ」
そう言った直哉さんは、静かに唇を重ねた。誰もいないとはいえ、いつ車が入ってくるか分からない状況でのキスは、とても緊張する。
だけど、自分でも驚くくらいに、胸はときめいていた──。
彼の部屋へ着くと、ジャケットを脱いだ直哉さんとソファへ並んで座る。すると、直哉さんがゆっくりと口を開いた。
「きみの気持ちを、父に伝えておく。それと、住川くんと茉莉恵のことだが、二人のことは二人に任せようと思っているんだ」
「ありがとうございます。そうですね。私たちが、口を挟むことではないですから……」
直哉さんも、びっくりしただろうな。住川さんも、茉莉恵さんも同級生だったわけだし、学生の頃から好き合っていたなんて……。
「それにしても、本当に驚いたよ。住川くんと茉莉恵が、学生の頃から想い合っていたなんてな」
ため息交じりの直哉さんに、私は控えめに尋ねた。
「直哉さんでも、気づかなかったんですか?」
「ああ、まったく。住川くんは、あのとおりポーカーフェイスの多い人だし。茉莉恵も、そういう素振りを見せてはいなかったから」
小さく微笑んだ直哉さんに、私はずっと気になっていたことも聞いてみる。
「あの……。直哉さんって、茉莉恵さんのことは呼び捨てなんですね? 住川さんは違うのに……」
「直哉さんの優しさは、十分伝わっていますから。大丈夫です」
どんなときでも真面目に誠実に考えてくれる彼の人柄は、本当に惹かれていくばかりだけれど、あまり責任を感じないでほしい……。
そう思い言ったのだけれど、直哉さんは一瞬黙り込んだかと思うと、少しバツ悪そうな表情をした。
「優しさ……というより、自分の頑固さからだな。とにかく陽菜のことは、誰になんと言われようと離すつもりはない。だから、反対するつもりしかない父に、きみを会わせたくなかった」
そんなことを言う彼を見て、思わず顔がほころんだ。
「直哉さんって、いつもクールなイメージでした。でも、結構内に秘めた熱いものがあるんですね……」
なにごとも、涼しい顔でこなしていくのかと思っていたけれど、そうでない一面を知って意外だった。
「陽菜のことだからだ」
「え……?」
車は、マンションの地下駐車場へ入っていき、定位置で停まる。エンジンを止めた直哉さんが、真剣な眼差しで私を見つめた。
「きみのことだから、熱くなっている。仕事なら、もっと冷静にこなせてるさ」
そう言った直哉さんは、静かに唇を重ねた。誰もいないとはいえ、いつ車が入ってくるか分からない状況でのキスは、とても緊張する。
だけど、自分でも驚くくらいに、胸はときめいていた──。
彼の部屋へ着くと、ジャケットを脱いだ直哉さんとソファへ並んで座る。すると、直哉さんがゆっくりと口を開いた。
「きみの気持ちを、父に伝えておく。それと、住川くんと茉莉恵のことだが、二人のことは二人に任せようと思っているんだ」
「ありがとうございます。そうですね。私たちが、口を挟むことではないですから……」
直哉さんも、びっくりしただろうな。住川さんも、茉莉恵さんも同級生だったわけだし、学生の頃から好き合っていたなんて……。
「それにしても、本当に驚いたよ。住川くんと茉莉恵が、学生の頃から想い合っていたなんてな」
ため息交じりの直哉さんに、私は控えめに尋ねた。
「直哉さんでも、気づかなかったんですか?」
「ああ、まったく。住川くんは、あのとおりポーカーフェイスの多い人だし。茉莉恵も、そういう素振りを見せてはいなかったから」
小さく微笑んだ直哉さんに、私はずっと気になっていたことも聞いてみる。
「あの……。直哉さんって、茉莉恵さんのことは呼び捨てなんですね? 住川さんは違うのに……」