君がいて、僕がいる。

……さっきまでは、幸せ気分だったのにな。


「それって、私のためなの？」


どうして私は、こんなうざい質問を男に投げ掛けてしまうんだろう。


「そう、だよ」

「違うよ。その言葉の本当の意味は、アユさんを一番からおろすのが嫌だから、２番目が嫌なら別れればって、そういいたいんでしょう？」


ねぇ、覚えてる？
私たちが一回別れて、でもまた彼氏彼女になった時、圭介が言ったんだよ

『私を一番にする覚悟を決めた』って。


…でも、今の圭介はそれすら諦めてるじゃん。
私を好きな気持ちだけじゃだめなのか？って。

圭介の一番になるために頑張るといった私の気持ちを踏みにじってるんだよ


「そういう優しさが一番傷つく」


……でも、でも


「……満足？」

「えっ…？」

「私今、アユさんに嫉妬してた。
私の嫉妬してるところを見れて満足した？」


それでも、こんだけ傷ついて傷つけても、まだ私は圭介から離れる覚悟がなくて、そんなふざけたことを圭介に問いかける。


「……ごめん。俺最低だよな」


それでも、圭介の表情はまだまだ苦しくて
……ううん、ますます苦しくなっていた。


「気にしなくていいよ。
私は知ってて圭介の彼女になった。
だから、圭介が悪いんじゃないよ」


知っていながら、そんなことで圭介を追い詰めた私が一番悪いんだ
圭介の本心を聞き出そうとした私が悪いんだ。


「もう、行こ。
遅れちゃうよ」


散々責めといて私はまだ圭介の彼女をおりることはできない。
この人を失うのが、怖くて仕方ないんだ。


「真希」

「ん？」

「……真希のことすっげぇ好きだから
覚えといて」

「……うん、知ってるよ」