君がいて、僕がいる。
「真希ちゃんは圭介と同じ部屋でいいかい?」
「え!……逆にいいの?」
高校生の男女が同じ部屋で一夜を共にする。
そんなことが、おばあさん公認でいいのだろうか…
「俺は全然構わないよ」
……圭介もそういってるし、いいのかな…?
誰かと一緒に寝るなんて、幼い頃や修学旅行覗くとなく、ましてや異性なんて将希以外ないからこれでいいのかわからないけど…
でも、拒否したらそれはそれで失礼…?招かれてきてるのに図々しい?
とかいろんなこと考えてしまったけど、おばあさんはすでに「ここの部屋使っていいから」と私たちを案内し終わっている。
「うわぁ…大きな窓…」
窓、とは言えないような、縁側のような広々とした解放感付き。
こういう家にすんだことがない私はこれを何て言っていいのかわからないけど…いい。
こういう家、いいな。
「夜は星がきれいに見られそう」
私がそういえば「気に入ってもらえたみたいでよかった」と、おばあさんも嬉しそうに私に笑顔を向けてくれた。
なんて居心地のいい家なんだ。
「それじゃ、ご飯すぐできるからちょっとここで待っといて」
「うん、さんきゅ」
ということで、とりあえず荷ほどき。
圭介なんて早速ケータイの充電をしている。
「ねぇ、お祭り会場まではどうやって行くの?」
「あとでシャトルバスが出るから、それに乗っていくよ。
すぐそこから乗れるし、らくだよ。帰りはじいさんと帰ってくればいいしな」
「そうなんだ。
ここらへんの家の人はみんな行くの?」
「あぁ、山は隣だけど、離れててもみんな仲良いからみんな行くよ。
地元のみんなが店を出すから他の祭りよりも物が安いし、絶対楽しいから」
へぇ…そんな感じなんだ。
まさに田舎のお祭りって感じで、楽しそう…
「特に、地区ごとの御輿があって、御輿が全部集まる今日は本当に見ごたえあって面白いよ。
でかい祭りに比べたらしょぼいかもだけど…でも田舎のよさはあるから」
そのお祭りの楽しさを教えてくれる圭介の顔がキラキラしてて、本当に楽しいんだなってすっごい伝わってくる。
「そうなんだ。なんかすっごい楽しみなんだけど」
早く、行きたい。
その楽しさを、私も感じたい。
圭介が好きなものを、私も好きになりたい。