君がいて、僕がいる。
そんなことをしていると、外の畑でなにかをしているおばあさんの姿が見えて…
「おばあさんはなにしてるの?」
「あぁ、野菜とってんじゃね?おかずとかに使うんだよ」
「へぇ…私もいってみていいかな?」
「え?別にいいと思うけど…いいの?」
「うん、やってみたい!」
私がそういって立ち上がれば圭介も立ち上がって、一緒にまた外へとでた。
「ばあちゃん、真希もやってみたいだって」
そう圭介が話しかけると、おばあさんはすごく嬉しそうに
「本当かね!」
と笑顔を向けてくれた。
「いいですか?私も」
「もちろん!こっちおいでぇ!」
そう元気に手招きしてくれるから、私も元気に畑へと足を踏み入れる。
こういうのは小学校の授業でしかやったことがないから、すごく興味があったんだ。
「じゃあ私はきゅうりをとるから、真希ちゃんはトマトをとってくれるかい?
このハサミで……」
一通り、トマトの取り方を聞いた私は「好きなだけとっていいよ」と言われたこともあり、夢中でトマトを収穫した。
とにかく赤くなった立派なものたちを。
「すごぉい、美味しそう。
これ全部おばあちゃんとおじいちゃんだけで育ててるの?」
「あぁ、そうだよ。
昔からやってるから普通のことだけどね」
そう謙遜してるけど…でもスーパーでしかみたことない私からしたら本当にすごい。
苗から育てて、こんなに立派な実をつけるんだもん。
本当に美味しそうだよ。
「…あれ、そういえば圭介がいない…」
「あぁ、圭介は向こうの畑のとうもろこしを取りに行ったんだよ。
あとで焼こうね」
とうもろこし…!
そんなものまであるなんて、なんで素晴らしいの…!
トマトにきゅうりに、とうもろこし。好きなものばっかり。
夏野菜万歳。
「さ、そろそろ家の中へ戻ろうか
ご飯、もうできるからね」
「うん!」
たった10分ほど。
たったそれだけだけど、おばあちゃんは気さくでたくさん話しかけてくれるから、あっという間に仲良くなれた気がする。
こんなに元気で、しっかりしてて、自給自足で、羨ましい限りだ。
まさに、『生きてる』って感じられる。