君がいて、僕がいる。
チリンチリンと、私の心には今すごくうるさく感じるこの鈴を握りしめて、私はこの真っ暗な道をまっすぐ走っていた。
ここがどこかもわからない、
この道がどこへ続いているのかもわからない。
そんな暗闇の道を走っていた。
……普通なら、圭介が私を追ってきたらもう追い付いてもいいはず。
だけど、私に追い付かないってことは
……私を追いかけてきてないってこと。
私より、美咲さんをとったってこと。
その事実が本当に辛くて
なんか、目から出てきそうだったけどひたすら我慢して、
絶対こぼすもんかって、ごまかすためにもひたすら走った。
走って、走って……
「うおおぉぉぉぉ!?」
・・・なぜか、前から思いっきり叫ばれた。
「なっ…え、真希ちゃん…?」
「その声は…北山さん…?」
暗闇の中、聞き覚えのある声に、私はゆっくりと近づくと北山さんがすごい姿勢で立っていた。
「な、なんだぁ…
真っ暗ん中俺に向かって誰かめっちゃ走ってくるから何事かと思った…」
そうやって安堵の声を漏らすのが、なんかおかしくて
「あ、はははは」
なんかもう、面白くて仕方なかった。
「わ、笑うなよ!
俺めっちゃびびったんだから!」
「ご、ごめんなさ…」
でも、笑った途端、顔の緊張が溶けて
思わず、涙が溢れてしまった。
「……真希ちゃん?泣いてる?」
「…北山さんが面白すぎて、笑いすぎて泣けてきました」
笑ってんのか、泣いてんのか
おもしろいのか、悲しいのか
自分でもわけわかんない顔をしてるとわかる。
「……そっか。
じゃあ笑いたきゃ笑いなよ」
そういって私の頭に触れた手が暖かすぎて
私の目からはまた涙が溢れてきた。