君がいて、僕がいる。
「…北山さんは、どうしてここにいるんですか?」
「あぁ、あいつらと花火やって、帰るとこ。
俺だけバイクだから、俺がゴミ係でさ」
そういって指差す先には確かにバケツと、袋に入ったゴミ。
……ていうか、花火ってみんなでやったんだ…
そっか…よかった……
「真希ちゃんは、どうしてこんな時間にこんなとこに?」
「あー…はは、なんででしょうね」
「しかもめっちゃ走ってたし」
……北山さんからしたら、意味不明だよね。
こんな時間に、部屋着で、全力で走ってきたかと思えば、泣いて……
「…北山さん、ハッピーエンドってなんなんでしょうね」
しかも、こんな質問までしちゃって。
意味不明だよ。
「え?」
「なんか…映画とか漫画とか小説とか
いろんな物語の大半はハッピーエンドじゃないですか。
でも、現実だとハッピーエンドの続きがあるわけで、全然エンドなわけじゃなくて
終わりを迎えるときは死ぬときだから、全然ハッピーじゃなくて
どうせ幸せじゃないなら、さっさとエンドを迎えてしまってもいいんじゃないかって、たまに思うんです」
幸せの結末なんて、本当にこの世にあるんだろうか。
圭介と初めてあったとき、未練をたくさん残してこの世を去っていくって言われたけど…
結局、そんな終わり方ならなんの未練もなく死ねたあの頃に終わりを迎えられた方が、しあわせだったんじゃないかって、そう思えてくる。
圭介を好きになってから、苦しいことが多くて
物語のハッピーエンドが、羨ましくなる。
「そうだねー…現実、ハッピーエンドってないのかもね」
「…やっぱ、そうですよね」
「まぁ俺は死んだことないからわかんないけど
でも、みんながそうやって望んでるから、ハッピーエンドな物語が多いんじゃない?
生きてるといろいろあるからさ、みんなそんなハッピーエンドを夢見て、踏ん張ってるんだよ、きっと。」
「…ハッピーエンドを夢見て、か……
でもなんか、現実こんな甘くないよとか思っちゃうんですよね」
「はは、真希ちゃんは辛いことが多いんだねぇ」
「辛いことだらけですよ」
ホームドラマだって、どんだけ辛いことがあってもハッピーエンドになるならいいじゃん。
うちなんてもう崩壊してるし
青春・友情系だって…そんな綺麗事ですむこともないし
現実問題、もっと深刻なわけだし
恋愛だって…全然うまくいかない。うまくいくかと思えばすぐにまた壁が立ちふさがる。
人生、あんなに甘くない。
映画を見てても、そんなことしか考えられなくなってくる。